この三つの”キーワード”がもととなり地域性も加味した多くの歌詞が次々と生まれました。 したがって祝い事の時は元より蔵開き、田打ち、田植え、建て前、水入れなどに唄われ歌詞も地域や唄われる席により異なってきます。 ここでは当地方に伝わる”天神囃子”をご紹介したいと思います。※クリックで唄が再生されます。
天神囃子の由来
大根種
大根は越年した種取大根に5月から6月にかけて白い花が咲きやがて黒々とした実がつきます。 1粒は小さいけれど俵のような形をしており、実のつき具合はあたかも米俵を積み重ねた様です。
そばの種
そばは赤い茎に白い花で紅白を表しやがて実がつきます。種子の形は三稜形で三角(みかど)を帝に言い掛けてます。
芋の種
芋というのは里芋系の「八ッ頭」の事です。この芋は茎が長くて葉は広くて大きいのが特徴です。 しかも根元には沢山のいも子がつくところから子孫繁栄を意味しております。
十日町地方の祝言では、まず最初に唄われるものは
~めでたいものは 大根種 大根種
花がさきそろうて 実のやれば
俵 かさなる
花がさきそろうて 実のやれば
俵 かさなる
そして色直しのときには、中の唄として
~だが子でござる めめがよい めめがよい
そばの種だやら角がある 人の子でする
種だやら角がある 人の子でする
が披露され、最後は膳あげといって
~八幡の森に宿とれば 宿とれば
宵には鐘がなる 夜明けに 森の巣烏
鐘がなる 夜明けに 森の巣烏
で、締め括るしきたりになっております。
魚沼の祝い歌 天神囃子 (著者 大島伊一様)から抜粋させていただきました。ありがとうございます。